
未来を創造する:「幼年期の終わり」
私たちは、「私は周りの世界とは独立した存在だ」「あそこに見えている物と私は、別個の存在である」「私たちの意識の持ち方は外界には影響を及ぼさない」 という17世紀のニュートン力学の世界観をなんとなく前提とし日々を過ごしています。しかし量子物理学、細胞生物学をはじめとする、最先端の科学は次 々と「観察者と観察されるものは個別に存在しえない」「すべての事象は網の目のようにつながり合った全体の一部である」「私たちの意識の持ち方は直接外界 に影響する」ということを証明してきています。ある意味では、これらの科学の諸分野は、古今東西の霊的伝統が昔から言い続けてきたことに追いついたのだと 言えるかもしれません。
私たちの内面が外界と緊密につながっており、世界のあり方が私たちの内面を映す鏡だと仮定してみましょう。たと えば、もしも政府や社会システムによって抑圧されていると感じるような世界に生きているのだとしたら、その社会に住む私たち自身が「被抑圧者 対 権威」 という心理的構造を内面に抱えているということに他なりません。これを「無力な子供 対 虐待的な大人」と言い換えても良いかもしれません。もちろん、社 会の中で権力を乱用しようとする人たち自身の内面にもこのような構造があるということです。
先頃亡くなったSF作家アーサー・クラークの『幼年期の 終わり』では、今ある形としての人類の終焉と地球の新たな胎動の様子が描かれています。私たちの内面が地球全体の意識レベルを映し出すものだとしたら、今 の世界の状況を見る限り、一人でも多くの人が自分の内面に取り組む選択をすることが急務と言えるのではないでしょうか。この数年間は特に地球環境にしても世界の 政治経済の状況にしても変化が加速化していますが、人類はまさに「幼年期」から次の段階に脱皮をとげていくのか、このまま幼年期のままで終焉を迎えるのかの正 念場にあると言えるでしょう。そして、このまま幼年期のままで終わらないためには、「どのように私たちは他人や地球環境、そして自分の中の一部を抑圧し搾 取しているか」ということを徹底的に見つめ直し、抑圧者−被害者の二元的な構造を越えていくことが必要になってくるでしょう。単に組織や社会のリーダーに反発す る、あるいは権威を怖れて萎縮するということは、自分が相手と同じレベルに留まることに他なりません。
『聖なるマトリックス』の著者、 グレッグ・ブレイデンは、これを「答えから出発して生きること」と描写しています。これは「目的に向かって努力する」または「〜が起きるよう願う」という のとは根本的に異なり、「私たちの願う状態が実際にすでに起きているかのように生きる」態度のことを言います。狩猟民族の一部では、狩りに出かける前に儀式の一部として、狩りの経過を皆で演じることがあり ますが、この時、しとめた動物を重そうに運ぶシーンも演じられたりします。これらの人たちは、すべてが網の目のようにつながりあっている宇宙への参加の仕 方を心得ていると言えるでしょう。
外の世界に直接働きかけることも時には必要なことは言うまでもありません。しかし同時に、私たち一人 一人が自分の内面への自覚を高め、意識の持ち方を根本的にシフトさせていくこと、そして自分が本来持っている想像力や創造性をより良い未来を創るために 使っていくことが、これからますます大切になってくるでしょう。
エクササイズ 自分の夢見る世界を創る
1) あなたは今どのような世界になることを夢みているでしょうか?その世界はどのように見え、どのような人たちが住んでいるでしょう?そして人々はお互いにど のように接しているでしょうか?雰囲気は?音や香りはどうでしょう?その世界に実際に身を置いていると感じられるまで、なるべく具体的に想像したり感じて いってください。
2)その世界に身を置いているとどんな感じがしてくるでしょう?その時、自分はどのように立ったり座ったり歩いたりするでしょう。姿勢や呼吸はどうでしょうか。よければ実際に体を動かしていってみてください。
3)この世界のエッセンス(最も基本的な特徴、エネルギー、質)は何でしょうか?(例;静けさ、平和、幸福、楽しさ、創造的、多様性、など)
4)もう一度、このエッセンスを十分に感じながら、次のように考えてみてください;「このエッセンスを自分の人生の様々な場面でどのようにもっと「生きる」ことができるか」と。そしてそれをこれからの一週間実行してみてください。
*エクササイズを行う上で専門家のサポートをご希望の方のために、電話セッション(有料)も行っています。ご興味のある方はinfo@innerawareness.orgまでご連絡ください。
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