
自覚する主体
よ くお酒に酔った人が、「おれは酔っていないぞー」と言ったりしますが、「酔っていない」と主張する主体の状態が危ういので、認知した内容も当てになりませ ん。悟りを開いた仏教僧のような意識の覚醒状態をスケールの一方の端に想定すると、現代社会に生きる私たちのほとんどは、残念ながらこの酔っぱらいと程度 の差こそあれ、似たり寄ったりの覚醒度のところにいるといわざるをえません。何を隠そう私もその一人です。
「自覚が高まって色々なことに気づいてしまうと、かえって大変になるので閉じているんだ」という声もあり、確かにそれもつつがなく日常を送る上での知恵だと思います。現に、私たちの脳に入ってくる情報が100万ビットだとすると、普通の人が自覚できるのはそのうちの1〜16ビット程度と言われています。逆に100万の情報を全部自覚してしまったら圧倒されて、本を読んだり、食事をしたり、無事に道路をわたることも不可能になるでしょう。
そ れでも、100万分の一というのはあまりにもお粗末なので、自分に合ったペースで自覚のレベルを高めていきたい、ということになったら、どうしたらよいの でしょうか。実は自分にとって大切な情報はすぐ手に届くところにあるのに、私たちの頭は自動操縦状態だったり、他のことでいっぱいだったりするために、情 報をとらえられないでいる、ということが多いものです。次のコラムで、日常の中で少しずつ自動モードを減らしていって、色々なことに気づいていけるように なるための基本をまずはご紹介します。
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